
「会員が協力してくれない」「高齢化が進んで活動ができない」など市民活動や地域活動の一番の困りごとは担い手不足。5月から始まった4回講座の最終回を2025年12月17日(水)に長崎市立図書館新興善メモリアル会議室2で開きました。
講師はNPO法人協力アカデミーの松原明さん。
午前は市民活動センターや行政といった支援者向け、午後は市民活動団体やまちづくり協議会といった活動団体向け。
午後は、参加者一人一人の疑問に答える形でスタート。

まずは多くの人がつまづく「問題設定」から。
問題分析フレームワークは誰が何にどう困っているかを明らかにするツールです。定量的な問題はデータでとれるけれど、定性的な問題をどう把握するか?が難しい。
松原さんより「大前提として『人は自分のことをわかっていない』と理解すること。インタビューやアンケートをとっても必ずその通りとは限らない。仮説を立ててそれを検証していくしかない。」ということで、とにかく書き出して検証することが大事という話をされました。
問題設定が難しい場合は目的(やりたいこと)から聞いていく方法も。目的を裏返したものが問題であり、問題と目的の間のギャップが原因。原因は変えられることです。
その原因は複数ある場合がほとんどで、解決策も複数あるので最も効果的で、できそうなものから取り組む事が大事です。力を一つに集中しないと解決できないので、一つずつ取り組んで解決したら次へという流れでやっていくこと。
この時、原因が社会にあると考え、社会を動かす時はネットワークで取り組むこと。対象によっては動かない場合もあるので、フレームワークを使って相手を動かしていきます。じゃんけん理論やビリヤード理論など第三者を仲介して相手を動かすこともあります。
社会課題は解決できないものが多く、ずっと同じことをやっているとモチベーションが落ちて課題解決が遠のいてしまう。そこで戦略構築フレームワークを使って時系列で目標を創っていきます。
目標はやったから、やらなかったか、到達したか、しなかったかで評価し、「やったね!」「よかったね!」とみんなが自己肯定感を持てるような目標を設定することです。

次に、参加者が増えない、地域に人がいないという課題。
地域に人はいる、協力したい人はいるという前提に立つこと。その上でどうやって繋げるか?を考える。「6割は協力したいが、実際に動くのは1から2割ほど」という研究結果も。
相手がどう関わりたいかを理解して参加、協力をしてもらう項目がボランティアプログラム。相利、負担、内容を見て、なるべく負担を下げて相利を上げるプログラムにすることです。
人によってやりたいことは違うので、人に応じたプログラムを作るのが上手な団体はボランティア参加者も多い。
人は成果、プロセス、相利、負担感が見えたら協力する、これらが不透明だと不安が先立って協力しないことを理解してプログラムを作る。
この他にもどうやって相手とつながりを作るのか?仕組みを作ってシステムにしてしまうと動き出すという他県の事例も紹介してくれました。
これで全4回の講座は終了しました。「相手の困りごとを解決する」ことからスタートすれば協力は増えていくこと、そのための具体的な方法を学んだ講座でした。
令和8年1月22日に諫早市文化会館で開かれる諫早市社会福祉大会の基調講演で松原さんが講演されるので、協力者を増やしたい市民活動団体、地域団体の方はぜひご参加ください。



