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【レポート】唐人屋敷・館内エリア まち歩き&昭和の想い出座談会を開きました

おしらせ

2024年10月12日(土)、冬のランタンフェスティバルで有名な新地中華街近くにある「唐人屋敷・館内エリア」で、「昭和」をテーマにした「まち歩き」と「座談会」を行い、34名が参加しました。

昨年度の馬町、新大工町に続く3回目の実施で、長崎の【昭和の記憶】を記録・アーカイブする活動を行っている市民団体まいにち長崎、仁田佐古地区ふれあいセンター、長崎市まちなか事業推進室とのコラボ企画。

イベントに参加して市民活動に関心を持ってもらうこと、既にまちづくり等に取り組んでいる市民活動団体と自治会で活動している地域住民の交流を目的に開きました。

前半は、地域の方々の案内でディープな「まち歩き」後半は、館内エリアの昔の写真や地図を見ながら昭和の想い出を語り合う「座談会」

江戸時代は中国人が暮らした町

この地区は鎖国をしていた江戸時代、元禄2年(1689年)から約180年間、貿易で長崎に来た中国人らを密貿易などの防止のため隔離居住させた「唐人屋敷」があった場所。唐館の内側の町、ということから「館内町」の名がつけられました。広さは約9,400坪、練塀で囲まれ、さらにその周囲も空堀や竹矢来囲まれて、他の町と隔絶、日本人の出入りはが厳重に制限されていたそうです。

現在は約2,500人が住む町。当時を偲ばせる中国式の4つのお堂や、迷路のような路地があり、まち全体がノスタルジックな雰囲気を醸し出す、独特の魅力があるエリアです。

今回のテーマは、あえて「昭和」

今回は江戸時代の唐人屋敷のことは基本のみ。鎖国が解けた明治以降に中国人が住まなくなった後、さらには庶民の街として市場で賑わった昭和中後期テーマを絞り、いま現在この町で暮らす地元の方が実際に体験した生活感あふれるエピソードをたくさん伺ったり、参加者同士、館内町の想い出を共有する楽しい時間となりました。

前半は、地域の方々の案内で「まち歩き」

まち歩きは、2グループに分かれて土神堂近くの十善寺地区まちづくり情報センターからスタート。

「このお菓子屋さんはよそ行きの上等なお菓子ば売りよんなったとですよ~」

歩きながら、昭和のエピソードに花が咲きます。昭和に賑わった市場の通りも、今は空き店舗が増えて寂しくなりました。こちらは空き店舗のシャッターに高校生が描いたシャッターアート。現在、近隣の5か所に市内の高校の美術部が描いた作品が彩られています。銭湯の跡も二か所訪問。なかでもこの町のランドマーク的な存在だった丸金温泉や館内市場は(昨年取り壊されてしまいましたが)、地元の方も一般参加者の方も皆で想い出を語り合いながら歩きました。

エリア内には江戸時代の水路や空堀など境界線が遺っていました。また明治期に大地主となった森伊三次さんが水路の上に橋を架けて生活の不便さを解消した橋が3か所。ちなみに浦上駅やブリックホールがある茂里町(もりまち)は森さんが開墾を行った地区でそのお名前にちなんで名付けられたそうです。

こちらは市営アパートのエレベーターが市道となっている十善寺住宅。電気で動く市道(エレベーター)は、長崎ではグラバー園近くにもありますが、坂の町長崎ならではのユニークな生活の工夫です。このエレベーターで3階まで登り、展望スポットへ。ちなみに眼下に見えているのは、唐人屋敷の南東角を示すモニュメントと当時、敷地を囲んでいた練塀をイメージしたもの。

それぞれまち歩きを楽しんだ2グループは、館内エリアを一望できる仁田佐古小学校、小島養生所付近で合流し記念撮影。

その後は、急な坂道を登って仁田佐古地区ふれあいセンターで「座談会」

まち歩きでガイドをしてくださった地元のお二人を中心に、プロジェクターに投影した昭和の写真を見ながら昭和の想い出をたっぷり語っていただきました。

「これは私の実家の薬局の前で取った、小学生の頃の写真です。昭和40年代当時、このあたりは・・・」今回、館内町の住民や市民団体から提供いただいた写真は約2,000枚。その一部を使って、当時の想い出や街の様子を語っていただきました。

座談会の会場には、昭和を中心に館内エリアの地図 5種類を設置。1枚ずつ時代が違っていて見比べると街の変遷が分かるしかけになっています。

参加者アンケートでは、「地元の人の案内で、本には載っていない町の話が聞けて良かった」「小さな地区にも深いさまざまな歴史があることを知る事ができて有意義だった」「他の町でも同様の企画をお願いしたいです」「ぜひ地元でもやってみたいです」といった声が寄せられました。

今後も、テーマ型の市民活動団体とエリア型の地縁組織を繋いで街を楽しくする活動を続けられたらと考えています。

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